「負け組」の拡大再生産を防げ!(2)

『本物の 考える力生きる力 勉強法』マークス寿子(三笠書房/2002)より
“自立とは、簡単にいえば毎日の生活の中で・・・(様々なことを)自分で決められることだ。そのためには「選ぶ」ことができなくてはならない。・・・実際「選ぶ」というのは決して容易なことではない。”
そして10年ほど前から日本とイギリスの間を往復する生活を始めてみて、イギリスのデパートは品揃えにバラエティーが無いため買うものが簡単に決まるのに対し、日本では選択肢が多すぎて選ぶのがしんどい、と続く。

(自立の定義についてはひとまず保留するとして)ここのところ国民に突きつけられている「自己責任」というのは「自分で選択し、その行為ついて責任を持ちましょう」ということですが、選択能力があまりないことが分かっている相手に対し、いろいろな選択肢を並べて選ばせる、ということにはやはり無理があります。デパートでの買い物くらいなら失敗してもあまりダメージがありませんが、生きてゆくことに密接に関係するような事柄についてはある程度政府が道筋を示す方が結局は社会全体のためになる、というのが前回の記事の内容です。記事を読んだ後でこの本を読み、選択するということについて改めて考えさせられました。